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「リリーマルレーン」



朝、ちょっと調子がイマイチで
シャンソンのレッスンはチコク。
20分ほど遅れて行ったのだけれど
教室ではまだ、あみだくじ。
次回のクリスマス会の順を決めている最中だった(笑)

そのあと各自の発表曲を申請して
重なっていないか、確認。

その後、朝の部のクラスの人は退出。


さて、リリーマルレーン。

発声練習を兼ねて一度だけ全員で通す。
その後、個人。

突然、一番手に指名されて、びっくり。

「マーチ」を選択して歌っていたら、即、止められる。

NHKの「みんなの歌」やないんやから~ と、先生。
いくらマーチでも、それはない。と。

で、質問される。
出だしは
 ♪ 小さな村に着いたとき~
の、小さな村って、どんな村?

私は、歌う練習を始める前に、この歌詞に対して
それなりのイメージを作ったのだが
実はあまりしっくりきていなかった。

「村」にしても
戦争で疲弊している貧しい村、というような感じを持ったのだが‥

先生の説明によると
小さすぎて空襲もないような村、と。

そこへ、遠征で疲れ果てた部隊がたどり着く。
食べるものもあるだろうし、眠ることもできるだろう
と、ほっとした気持ちで到着する。
だから1番の前半は、ほっとした気持ちが出せないといけない。
そこには、とても優しく美しいリリーマルレーンという女性がいた‥
部隊の誰もが一目で夢中になってしまう。
彼女は肩書きの上下にとらわれず、
誰にも優しく接してくれる‥

1番ずつ歌っては、
そこ、伸ばさない、とか
その言葉、ひと息に、とか
修正を受けまくりながら
歌詞の意味合いをつなげていく。

5番はルバート

 ♪ 彼女が死んだ 空襲で
   明日をも知らない僕たちが
   彼女のために穴を掘り
   埋めたんだ この手で
   愛しい リリーマルレーン
   愛しい リリーマルレーン

その彼女が、死んでしまった‥
空襲などあるはずのないこの村で
明日は戦闘で死に行く覚悟をしている僕たちがこんなにたくさんいるのに
その僕たちではなく
彼女が‥  死んでしまった
なぜ、彼女なんだ
僕たちの誰でもよかった
代われるものならば‥
なぜ、明日は死に行く僕たちが
彼女を埋めることになってしまうんだ‥

悔しさ、もどかしさ、愛おしさ、
怒り‥
いろんなものが胸の中を渦巻き
彼女を 埋める‥


先生の説明されることを聞いたうえで
私が作り直した、イメージ。

やっと曲がしっくり、きた。

翌朝、部隊はリリーが眠る村を後にして
戦場へと向かう
それぞれの心の中に
リリーの想い出を秘めて


帰ってきてもう一度歌おうとすると
感情がこみあげてきて、歌えない。

こんなに、違うんだ。
曲の解釈で。


「リリーマルレーン」は、私の好きな歌の1つになった。

by sararaM | 2008-12-05 20:21 | シャンソン | Comments(4)

Commented at 2008-12-06 01:29
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by sararaM at 2008-12-06 18:44
☆ ‥さん 
ありがとうございます。
こちらの思いや気持ちが変わると歌が変わり
伝わるものも変わるのかな、と思います。
Commented by summerbunny at 2008-12-08 22:38
そうやって物語を読み込んで読み込んで歌うのですね。
一曲の中に、映画一本分に匹敵するような物語があって。
私はシャンソンはほとんど聞かないのですが、人生経験が少ないと歌えないと聞きます。リリーマルレーン、深い曲ですね。
Commented by sararaM at 2008-12-09 00:10
☆ summerbunny さん
つきなみですが、シャンソンは3分間のドラマ、と言います。
曲によっては、年齢を選ぶものもあり、
歳を重ねて初めて、歌えるようになる曲もあるようです。
1つの曲を聴いても、それが自分のどの部分と重なるかは
人それぞれで。
言葉が心にはまると、
初めて聴く曲でも、ほんとに、泣いてしまいます。