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本番 2


追憶31

30分の休憩に会場内が明るくなる。

人が動き、その間をドレス姿の私たちがご挨拶に回る。


私はその間に着替え。
白のドレスを脱ぎ、黒に変わる。

後半は3曲目なので、そのまま右袖で控える。
私の前の2曲目は楽しい歌。
で、私の「雪が降る」は、暗く、哀しい。 この落差。


けれど、歌い始めたら、自分の世界。
私が創り上げたイメージに合うように、
セリフも歌詞もすこしだけ変えた。

目の前に、待つ人が来ない世界が広がり、
私は哀しみでいっぱいになる。
この気持ちは、果たして相手に届くのか‥

失望のセリフを語り終えて、後半の歌へ戻ろうと‥ 

  !先生、そこ、音、ちがう!

ピアノの先生の焦りが手に取るように感じられる。
それでも、哀しみは頂点を極め、
失意の中、雪に立ち尽くし‥  終わる‥


いつまでも哀しみの世界にいられない。

会場を大回りして、ナレーション席へ急ぐ。
その時間稼ぎに、バックの紹介をしてくれることになっている。

果たして名前は大丈夫か?!

ナレーション席へ戻った私が見たものは、
左手の指に、大きく書き込まれたアーティストの名前(笑)
カンペに助けられ、無事、終える。


私の次の曲は「永遠の絆」。 
教室で泣いてしまったあの曲。

最初にナレーションを考えたのは、
この曲に、歌う彼女の気持ちを付け加えたかったから。
だから、こんな急ぎの綱渡りをしてでも、私が言いたかった。

そのあともお気に入りのナレーションが続く。

自分の歌が終わっているのだから、
もっとほっとしてもいいはずなのだが、
一番最後に、ヒミツの花束贈呈が残っている。
それがうまく行くまで、私は安心できない。

曲はどんどん進む。

ああ、もうすぐ終わりなんだ。 
こんなに、あっという間なんだ。 と、思ってた。

大トリの「キャバレー」は、リハーサルよりもっとはじけて
みごとに勤めを果たした。


さあ、最後の先生の曲。

ナレーションは初お目見え。
「面白系」の注文の先生は
私のナレーションに満足してくれるだろうか?



先生の声が響くと、「場」が変わる。 
空気もすべて変わる。

「ケ・サラ」 の歌詞がこころにしみこんでくる。

   ケ・サラ ケ・サラ ケ・サラ
   私たちの人生は 階段を手探りで歩くようなもの

曲の間に、来てくださったお客様への挨拶が入る。
その言葉に、私たちの初めての発表会が無事に
終えられたことへの安堵を感じる。
最後は会場に配った歌詞カードで一緒に歌うひとときだ。

   「ケ・サラ」‥ 歌はおまじないのようなもの。
   「ケ・サラ」‥ どうにかなるさ。
   何かにぶつかったとき、口ずさんでみてほしいと。

私たちもステージへ出て行く。
先生がマイクを持って会場へ。
80人ほどの声が、会場に響く。

そして、先生のソロ。
ひときわ、大きな拍手の中、先生は袖へ引いていく。


さあ。 ここからだ。


中央にいる最後の挨拶の担当者が、先生を呼び出す。
メンバーみんなで口々に「せんせ~」と呼ぶ。
左端でマイクを持っている私は、会場にお断りをする。
「これは、先生の台本にはありません」と。
先生が 「えっ?」という顔で戻ってくる。

バックに愛の讃歌が流れる。

「先生に出会って8ヶ月あまり。
 最初に習ったのは、愛の讃歌でした‥
 ‥‥‥‥‥‥‥‥略‥‥‥‥‥‥‥‥
 ‥私たちと、私たちの家族との感謝の気持ちを込めて、
 花束を贈らせてください」
「贈呈は、~~さんのお孫さん、
 ○○ちゃん、お願いしま~す」

白のドレスを着た小学校低学年くらいの可愛い女の子が、
客席の間を縫って進み出てくる。
バックの愛の讃歌がひときわ大きくなって、花束贈呈。

ピアノの先生は泣いてしまって、演奏にならない。


そして、最後の挨拶。

全員で、深く、礼!


バックの演奏が終わるまで、感謝の気持ちを込めて。
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by sararaM | 2007-08-28 22:01 | 追憶 | Comments(4)

本番 1


追憶30

先生の合図。

会場の後ろから控えの右袖まで、場内を進んでいく。
‥会場内はすべて舞台‥ 
先生に何度となく言われた言葉が頭の中で響く。
背筋を伸ばして、堂々と。 
今日は主役。

満席のお客様。 家族の顔が見える。友人の顔が見える。

演奏が流れ出す。 もう、止まれない。


サ・セ・パリはやっぱりジタバタ、した。
けれど、大きな声で、元気よく、にっこりと(笑)

私の挨拶。 
よしっ! 笑いを取った! (大阪では必須(笑))

ナレーション席に着く。


個人の曲が始まる。

リハーサルは今までの中で格段によかった。
ところが、本番だというのに、それより、もっと、いい!
ぎっしり入ったお客様を前にして、
実に気持ちよさそうに歌い上げている。

このメンバーは何なんだ?
本番にこんなに強いのか?

ナレーション席で、私は、苦笑。

実際のところ、リズムがずれたままだったり、
間奏が短すぎたり、というのもあった。
歌詞カードを持ってナレーション席にいる私は、少しドキドキ
だが、当人は、我関せず、と自分の世界。

うしろのピアノの先生と
ベーシスト、ドラムス、との視線が交錯し、
すっと、バックがあわせてくれる。

何事もなかったように、曲は進む。


黒1点の男性は、
海をイメージする軽装からタキシードに着替えることになっていた。

歌の出番からタキシードでの挨拶まで、中3曲。
進行を考えながら、私は会場をチラチラ気にしていた。
袖の控えに入るところに、先生がずっと立ってくれている。
私の視線に気付き両腕で大きな丸。

OKだ。

バックの方々の経歴も含めての紹介。
実に落ち着いて、ゆったりとして、これもよかった。


1部はあっという間に進む。

私はナレーション席を立ち、
テーブルとイスの間をぬって逆側の控えへ。
真紅の大きなバラのコサージュを左の指に絡める。
ケープを脱ぎ捨てる。


私が生まれて初めてステージで歌う曲。
これは私の大切な人のために。

何1つ、よけいなことは考えなかった。
いつもはうまく入れるか気になるサビへのポイントも、
一番高い声の部分も、次の歌詞も。

全てをバックに委ねて、歌った。

ハイテンションと冷静さとが共存した時間。

曲が終わりに近付き、
もう、終わってしまうのか?もっと歌っていたい
と思っていた。


歌い終わって、袖へ引く。

ああ、何て気持ちいい!


本番って、こんなに、ステキなんだ!
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by sararaM | 2007-08-28 17:47 | 追憶 | Comments(0)

リハーサル 2


追憶29

後半のリハーサルはステージ衣装。 イメージが変わる。

歌よりも、途中に入る案内などが危ない。
バックの紹介では、ものの見事に名前を間違った。
しかも、ずっと一緒にやってきたピアノの先生を‥

どうする?! 本番では許されないこと。


大トリの「キャバレー」の彼女は
2日前のレッスンでは、まだ固まっていた。
一度は「娼婦になれません」と、
曲の変更を申し出たこともあった。
周囲が聴いていて、音もリズムもしっかりあっているのに、
本人が ‥これで、いい?‥ と心配そうに歌うから、
それがモロに伝わってしまう。
そんな感じでずっと来ていた。
いつも、できていないところを気にする彼女を
みんなで励ましてきた。

それが、どうだ!
当日になってやっと吹っ切れたのか、吹っ切ったのか。

これから先、
どんなに自信がないようなことを言っても、信じない!(笑)


リハーサルを終えて、
会場オープンまで、最後の外見?の仕上げ。

先生が、
メイクを直したり、衣装のチェックをしたり、してくださる。
先生は、海外旅行か?というようなトランクに、
メイク一式から、山ほどのアクセサリー、
肩にかけるマラボーやトップスまで
実に様々な小物を用意してくださっていた。

「そのネックレス、地味! これ、つけてみて。」
「この歌はこのトップスがあうと思って持ってきたから、
 一度着てみて。」
それぞれに手が加えられて、
ゴージャスに仕上がっていく(笑)

私は白のロングドレスに
レースのカーディガンをはおっていたが
先生に、羽のついたロングケープをかけられて、それで決まり

メイクだけでも一番目立っているのに、
衣装でも思いっきり目立ってしまった。


ナレーション席に台本を配置。
右袖控えに、歌詞カード。
途中で必要になるものを、ボトル棚に配備。


オープンまでにかなり間があるのに、
ちらほらとお客様の姿が見え始めた。

「オープン、10分早めるよ、準備して!」 先生の声。

会場にカーテンが引かれる。
太陽の光が、消える。


さあ、始まりだ。
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by sararaM | 2007-08-28 15:44 | 追憶 | Comments(0)

リハーサル 1


追憶28


ドアを開くと、昼間の光が差し込んだライブハウス。
ピアニストとベーシスト、ドラムスの3人が
すでに打ち合わせを始めている。

ベースとドラムの方はシャンソンは初めてということらしいが
ジャズでは忙しく活動をされているプロ。
全員、緊張した面持ちで、挨拶。


何度も予習したタイムテーブル。

控え室にドレスをつるす。
狭い部屋に華やかなドレスが広がる。


さあ、本当のリハーサルだ。
8人で舞台の右袖に待機。
「踊り明かそう」の演奏から、サ・セ・パリの前奏に入る。

出なければ‥
ああ、まるっきりの出遅れ。
コードがもつれる。
次の4人との入れ替わりも苦しい。

私の挨拶。
歌ではないだけ気が楽。
そのまま、ステージ左手のナレーション席へ座る。


ナレーション席は、誰よりも歌い手に近い。
目の前に歌い手がいる。

バックにベースとドラムを加えて、初めての演奏。
今まであれほど心配していたのに、
誰もかれもが、どうしたの?、という堂々たる歌いっぷり。

2日前のリハーサルでも、とてもいい、と思ったのだが、
それより格段に、いい。
みんなが気持ちよく歌っているのが手に取るようにわかる。

1部の最後。私の順が来た。

ああ、そうなんだ。
とても安心して歌える。
だから、みんなあんなに気持ちよさそうに歌ってたんだ。

どんなマジックがかかったんだろう?
誰の顔にも不安の不の字も見られない。


リハーサルが進む中、順に衣装に着替えていく。
会場内がだんだん華やかに、それらしく変わっていく。


1部のリハーサルを終えたところで休憩。

簡単に食べ物をお腹に入れておく。
私一人だけ着替えていなかったので、着替えに専念。 

お昼をのがした。
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by sararaM | 2007-08-28 15:13 | 追憶 | Comments(0)

ステージメイク


追憶27

当日の朝が来た。
 
いつものように、コーヒーとトーストの朝ごはん。
大きな荷物を抱えて、家を出る。

先生と一緒に、美容室で
アップセットとメイクをしてもらうことになっているので、
全体集合より1時間以上早く心斎橋へ。
病弱仲間(笑)の彼女と先生と3人で、
すぐ近くのホテルの地下の美容室へ。

広々としたフロアにたくさんのスタッフ。
10時前だというのに多くの客。

先生が今日の内容をスタッフの方に説明してくれて、鏡の前。

白の細身の光沢のあるロングドレス。 
イメージはウエディング。
すっきりと清楚な感じで、とお願いする。

発表会が決まって以来、切っていない髪は
肩の下までの長さ。
パーマもあてていないストレートの髪を、
プロはあっという間にアップしてしまう。

途中からメイクの担当の人が、顔をつくる(笑)

私はナチュラルにとお願いするのだが、
メイクさんは、
ライブステージでナチュラルではかえっておかしいですよ
と言う。
通りかかった先生が、
ステージメイクだと力説し、つけ睫まで置いていく 
   ( ‥どうなるんだろ、私 )
手に持ったメイクパレットで、
まるで絵を描きあげるように、顔をつくっていく。
あー も、 すー も なく、
みごとにステージメイクされた顔が出来上がってしまった。

肌などは、全く厚塗りになっていないのがさすがプロだと思うが
アイメイクはバッチリ施され、「あなたは誰?」状態。

プロが仕上げたメイクは、あとで素人が触れるはずもなく、
私の発表会は、始まるのだった。
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by sararaM | 2007-08-25 16:11 | 追憶 | Comments(0)

前日のジタバタ


追憶26

やっと発表会」と思いきや‥ 申し訳ない。
もう1日、書かせてほしい。 
過ぎた今だから、少しだけ、愚痴を(笑)


明日だ! と思うと、
落ち着かないのか、意外に冷静なのかよくわからない。

最後に歌ってみて、持って行くものをそろえて‥ 
の、つもりだったのだが‥
先生の最後の曲が変更になり、
会場全体で歌う部分の歌詞をプリントすることを、
昨日頼まれてしまった。

「できたらギターの絵を入れといてね」と、のたまう。

私はPCも扱うし、水彩画も描く。
ナレーションも創るし、台本も作る。
もともとの仕事が
「なんでも屋」のようなものだから、何でもするのだが、
スーパーマンのように、何でもスイスイできるのではない。
試行錯誤を重ねて、自分が気に入るものを創っている。 
‥が、時間がかかるのだ。


発表会の前日、
私はネットの中から絵になるギターの写真を探し、
気に入ったフォントで書き上げた歌詞とを、
どうやってくっつけようか四苦八苦した。
結局は、困った時のエクセル、で、
仕上げることになったが(笑)

その合間に、ピアノの先生にメールをして
エンディングの相談。
でも、それがなかなかうまくいかない。
バックが3人しるのにピアノだけで演奏はできないし
楽譜がなければ、
他のパートの方に突然演奏を依頼することもできない
‥らしい。
私は自分が楽器に触ったこともないので
そういうことには頭が回っていなかったのだ。
何か適当な曲を考えていただく、ということで
何度かにわたるメールを切り上げた。

60枚の歌詞カードが出来上がったのは夕方だった。


明日のこの時刻には全て終わっているんだな、
と思いつつ、
そこから、支度を始めたのだった。
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by sararaM | 2007-08-25 12:22 | 追憶 | Comments(3)

最後の練習


追憶25

発表会本番を2日後に控えて、最後の練習。

点滴でもたせている彼女も顔を出している。
レッスン室の空気が緊張しているのがわかる。

私は、今週になって突然、
イタリア語の歌詞を間違うようになってしまった。
もう、眠っていても歌えるくらいまで練習してあったのに、
どうしたことだ‥


オープニングから始めて、流していく。
しかしながら、みんな、うまくなった。
メンバーの中で最も歌の素養のない私の感想では
説得力がないかもしれないが、
それでも、ほんとうに、うまくなったと思う。
それぞれが自分のカラーで歌っている。


最後に歌っていただく先生の曲が、突如、変更。

ええええ~~~~~っ!!

私たちもコーラスのような形で歌うことになっているのだが、
会場の方々と一緒に、
歌詞を見ながらだから大丈夫だとおっしゃる。

せ~ん~せ~い~~~~(汗)


そのあと、私たちだけでのミーティング。
タイムテーブルにそって、イメージを作っていく。

11時にライブハウスで集合するところから始まって
それぞれが、
自分の動きをイメージしながら最後の打ち合わせをする。
自分が気持ちよく歌っているイメージをつくろうね、と言う。

もう、あれこれ考えても仕方がない。
私たち自身が楽しまなければ、
聴いていただく方々に楽しんでいただけるはずがない。


最後の最後に、
先生のレッスンが終わるのを待って、ミーティング。
細かな、確認。

狭心症を持っていて、発熱中の彼女には
薬の確認をして、対処の仕方を聞いておく。
私自身も片頭痛の特効薬をナレーションの台本に貼ってある
なんと、悲壮なメンバーだ (笑)


教室としての準備は、やるだけのことはやった。
最後のミーティングまで、
何回の会議を重ねたかもわからないくらいだ。
秋に初めて顔をあわせて、まだ半年と少しなのに、
もう何年も一緒にやってきたような感がある。


あとは、本番を待つだけだ。
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by sararaM | 2007-08-25 00:48 | 追憶 | Comments(0)

発熱?点滴?!


追憶24

発表会は6月17日(日)。 
その2日前が最後のレッスンだ。

その週の中ほどに電話が入った。
冬場に狭心症の発作で倒れた彼女だ。
前の週から熱が下がらずに
今週は毎日点滴を打ってもらい、解熱剤を飲んでいるという。
最悪、出演そのものが危ぶまれるとのこと。

とりあえず、自分の歌だけは発表できることを目標にして、
他のことは考えずに安静でいるように、と言う。

彼女は
前半のナレーションを3曲分担当することになっているが、
それを短くして他の人に代わってもらえるように段取りをつける
オープニングの曲の歌う部分も、
場合により交代できるように手配する。


彼女と私は「病弱仲間」(笑)
すぐに微熱が出て、調子を落とす。
健康な人にはなかなかわかってもらえない(笑)
お互いをいたわりあいながら練習を続けてきた。

何とか自分の曲だけでも、歌えますようにと願う。
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by sararaM | 2007-08-25 00:04 | 追憶 | Comments(0)

いよいよ6月


追憶23

6月のレッスンは2回。
どちらも本番の通りに流してみることになっていた。

途中で止まってもやり直しはしない。
ステージと同じように、袖で待機し出番を待つ。
ナレーションから礼を終えるまでの時間をはかる。
ちょっとドキドキしてくる。
オープニングのサ・セ・パリは動きも歌もできていない。
直前の特訓にかける。

ナレーションは、私の出番の前後を他の人にお願いしているが
ほとんど全て私がすることになっている。
最初の挨拶も担当するので、出ずっぱりのような格好。
途中のバンド紹介なども練習しながら、流す。
まとめて、先生からの最後の注意が入る。

あっという間の90分。


先生の個人レッスンが終わるのを待って、打ち合わせ。

ナレーションの原稿を作ったときに、
先生の曲の時には曲名だけ、と言われていたのだが、
新たに注文が入った。
先生のナレーションもつくるように、と。

しかも、「かっこいい系」ではなく「面白系」で。
原稿は見ないでおくから本番で披露。

あら、あら。 難しい課題だ。

「かっこいい系」なら、いくらでもつくれるが
「面白系」で先生をナレーションするのは難しい。
どんなものを創ってくるか、
期待しての注文だろうから頑張らなくっちゃ(笑)


あれよあれよという間に、6月になってしまった、
という感じだった。

あと、半月ほどで、発表会本番だ。
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by sararaM | 2007-08-24 23:50 | 追憶 | Comments(0)

追っかけ(笑)


これは、もしかして「追っかけ」と呼ぶのだろうか‥


冬の頃、初めて先生のソロライブに行った。

その時のテーマは「ピアソラ」だった。

私はもちろん、ピアソラというのが人の名前だとも知らなくて、

当日までにネットでいろいろ調べたりしていた。

先生の歌に圧倒された、という件は今回はおいておいて、

私はそのライブのピアニストに魅了された。


たまたま座った席が、ピアニストの手元がよく見える席だった。

ピアソラの「リベルタンゴ」

私でもヨーヨーマのテレビCMで聞いた事がある。魅力的な曲だと思っていた。

ピアニストの指は鍵盤の上を、時には流れるように、時には激しく、舞う。

ピアノの音に聞き惚れたのか、指先に見惚れたのか、自分でもよくわからない。

そこからあとは、ピアニストに釘付けになってしまった。


家に帰ってすぐ、ネットで検索をかけたが、HPもブログもないようだった。

いろいろなシャンソン歌手の伴奏者としてライブの記事があるか、

ある文化講座での講師としての名前くらいしか見当たらなかった。

もう一度、聴きたい(見たい、かもしれない)と強く思った。

こんな感覚は初めてだ。

今まで、歌手やタレントのファンになったことはない。

コンサートに行きたいと思った歌い手もいない。

でも、とにかく、この人のピアノを聴きたかった。


あちこち探す中で、あるライブハウスのお昼の「あなたも歌えます」というコーナーで、

ピアニストとして名前を見つけた。

私は、夜は出ることはないので、これしかない、と。

シャンソンを練習中の人がプロのピアニストの伴奏で歌わせてもらえる、というコーナー。

習い始めて3ヶ月だった私には歌うなんてできないが、

入場料?を払えば聴かせてはもらえるだろう、と思った。

先生のライブから4日目。

私は2時間の道のりをかけて、Kさんに逢いに?行った。


Kさんのピアノは、とても魅力的だった。

いろいろな人が歌っているのだが、私にはピアノしか聴こえない(笑)

その日は、ピアノに酔いしれた。

聴くだけ、というのは雰囲気的に難しかったのでカラオケを作ってもらうことにした。

これなら、歌わなくてもいいし、歌って失敗してもかまわないらしい。

発表会の曲目として決まっていた「青空に住もう」をお願いした。

初めてなので「お任せ」で弾いてもらう。

何もわからない私が、その伴奏を聴くと、

「ほら、ここから出るんだよ」とか「ここからだんだん盛り上げて」とか、

そんなふうに言ってもらっているように感じた。

練習でテンポが崩れたり、うまく乗れなくなった時にはKさんの伴奏に戻って練習した。

だから、このピアノ伴奏は、発表会までずっと私のお守りになった。


そんなことからスタートして、

2ヶ月に1度のKさんが来られる日には、私はそのライブハウスへ足を運んでいる。

自分が歌うことは二の次で、目的はピアノを聴くために(笑)


もっといっぱい「追っかけ」たいけれど、これが精一杯。

Kさんに伴奏してもらえるように必死で練習している、

というのもホントのところかもしれない(笑)
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by sararaM | 2007-08-23 22:51 | シャンソン | Comments(0)