歌が変わる‥「ちゃんと」の次


私は「黒い鷲」を練習していた。

音の取れない私にとって、転調が繰り返されるこの曲は難しい。

それでも、自宅で繰り返し練習し、何とかかんとか「ちゃんと」のところまで行き着いたかな?

これで先生に聴いてももらえるかな? と、レッスンに臨んだ。


一通り聴いた先生は、

「よし、OK。  そしたら‥ 」

えっ? そしたら? そしたらって?

歌の出だしは「いつか 忘れたけど‥」と始まる。

先生に、

「いつか、って、それはどのくらい前?1年前?3年前?もっと前?」

「それは、誰に話してるの? どこで? いつ? 何時頃?」

「話し始めた内容の『ある日』は、夜?昼?場所は?誰かと一緒?」

「飛んできた鷲の大きさは?」

わ、わ、わ、わ、わ‥

思いっきりの、しかも、予想外の攻撃‥


「黒い鷲」に対するイメージは持っている。

生と死の間で、向こう側からの使者の誘惑に導かれそうになりながら踏みとどまる‥

しかし、先生は、心象風景や心理ではなく、具体的な風景だという。

聴いているお客さんにどんな「絵」を見せようとしているのか、と。

それを見せて、その上に、その時の気持ちが乗るのだ、と。


私が第一目標としていたところまで、やっとの思いでたどり着いたら

そのとたんに目の前に道が延び、

しかもそこには階段がなくて、ぽ~んとジャンプして飛び乗らねばならないような、

そんな感覚を持った。

その日はそこで時間切れ。あとは、宿題。


私はその場で思いつきで答えたことをいったん白紙に戻し、

再度、「黒い鷲」のイメージを作り直したのだった。

          くたびれたので、つづく(笑)
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by sararaM | 2007-08-10 11:11 | シャンソン | Comments(0)